巻物1
シャオ・ユン は1505年に宮女となるべく生まれ、紫禁城内で育てられた。最初は彼女も立場の低い、皇后の席に憧れる多くの少女のひとりだった。宮中の女性たちのもとで刺繍や歌、文学などの伝統技を学んだが、彼女は早くから踊りと音楽に並外れた才能を発揮した。その俊敏性と猫のような慎重さは、セイトク帝を魅了した。権力を乱用して宮廷の人間に恥をかかせることを好んだ彼は、幼いシャオ・ユンを頻繁に密偵や泥棒として使い、宦官や大臣にまでいたずらを仕掛けた。彼はまた、シャオ・ユンから踊りの才能を失わせないため、魅力的な女性となるために欠かせなかった纏足を禁じた。
巻物2
子供の頃にシャオ・ユンは、権力と影響力を持つ宦官たちが結託した少人数の組織、八虎の指導者であるリュウキンの処刑を目にした。セイトク帝はリュウキンが自分の暗殺を企てているという証拠をつかみ、千回切りとも呼ばれる凌遅刑によって反逆者を処刑した。宦官は2日に渡って苦しみ抜き、皇帝を裏切った罰は幼いシャオ・ユンの胸に深く刻みつけられた。
巻物3
巻物４
巻物５
皇帝の空尉期間に、シャオ・ユンは嬪の特権を維持する方法を求めて密偵としての才能を駆使し、紫禁城内で密かな戦いが巻き起こっていることを知った。
チャン・ヨンが率いる八虎は、「テンプル騎士団」と呼ばれる秘密組織に仕えていた。そして彼らと敵対すし、帝国内で活動している別の秘密組織、アサシン教団の存在も知った。彼らの指導者は宦官のリュウキンを侮辱したことにより、何年も前に北京から追放された有力者であり思想家のワン・ヤンミンだった。